Interview
スタッフインタビュー

“歯科衛生士”が拓く
新しい景色

主任歯科衛生士。東京都内の大型歯科医院で経験を積み、聖路加国際病院訪問看護ステーションに歯科訪問診療の領域で参加。スウェーデンハルムスタット州立病院での研修参加は数回に及ぶ。
日本医療機器学会認定第二種滅菌技師の資格を持つ。

歯科衛生士
一之瀬 くに子

日本医学院歯科衛生士専門学校卒
(現:日本ウェルネス歯科衛生専門学校)

見たことのない景色は“ホーム”にあった

「一度、歯科から離れてみよう」。新卒から長く勤めた前職を辞めた理由は、そんな思い立ちでした。

都心にある、予防を軸とした大きなクリニック。そこで私はスケーリングの基本から学び、少しずつ歯科衛生士としてのキャリアを築いていきました。外来だけではなく、訪問診療へのチャレンジやスウェーデンの病院での研修など、多くの得がたい経験ができたことにとても感謝しています。口腔ケアのスキルを磨く一方で教育や採用にも携わるようになり、気づけば院内は私の“教え子”でいっぱいになっていきました。育ててきた後輩が10年目のベテランに成長したとき、ふと感じたんです。「ここでできることはすべてやった気がする。見たことのない景色を見てみたい」と。

退職後は、まったく別の業種でアルバイトを始めました。自分でも意外な展開でしたが、歯科の世界しか知らない私にとってはすべてが新鮮。初めての仕事に驚き、感動しながら、目まぐるしく毎日が過ぎていきました。「…でも…やっぱり」。故郷を懐かしむように、歯科衛生士としての自分を思い出し始めたころ、たまたま知人に紹介してもらったのが当院、大岡歯科医院です。理事長は私に、予防への熱い想いを語ってくれました。歯科衛生士の立場をより高めていくために予防専門の施設をつくりたいという話を聞いたとき、私は思わず膝を打ちました。「新しいフィールドは、外だけにあるんじゃない。歯科業界にいても、ゼロからの挑戦ができるんだ」。その瞬間、「ぜひやらせてください」という言葉が口をついて出ていました。

私との時間が、前を向くヒントとなるように

デンタルケアスタジオの立ち上げは、もちろん簡単なことばかりではありませんでした。日々の診療を行いつつ、スタッフと話し合いながら計画をブラッシュアップしていく…。タイトなスケジュールではありましたが、それでも楽しさが勝っていたのは、自分たちで予防歯科専門の空間をつくり上げられる喜びに加え、大岡歯科医院という大きな土台の上でチャレンジできる安心感があったからだと思います。デンタルケアスタジオは半個室で、タービンの音もしないとても静かな場所。ずっと一つの診療室をみんなで共有していたのに、今後は患者さんと一対一で向き合うことになるから不安だというメンバーもいました。でも、当院の強みは何と言っても患者さんからの信頼。メンテナンスのためと言いつつも、実は担当の歯科衛生士の顔を見たくて来院されるような方も多くいらっしゃるんです。これまで築き上げられた関係を受け継ぎながら成長のチャンスをつかめるのは、歯科衛生士にとってとてもラッキーなこと。みんながこの機会を生かして一段上のステージへと上れるようにサポートしていくのが、私の役目だと思っています。

後輩たちと接するにあたって心掛けているのは、一緒にいる時間を大切にすること。私との会話を通じて「ためになったな」「うれしかったな」と感じてもらえれば、仕事へのモチベーションも自然と上げられるからです。少し厳しいことを言ったとしても、必ずフォローする。良いところはしっかりほめる。教えるばかりではなくて、私も後輩から学ぶ。そうやって何でも言い合える関係を築くことでどんどん意見を交換し、より良い診療をつくっていくのが私たちのあり方です。歯科衛生士の力が求められること、医院を盛り上げていけることの楽しさを、新しいメンバーにもぜひ実感してほしいですね。

デンタルケアスタジオの立ち上げが、私のキャリアのゴールではありません。やりたいことが山ほどあります。前職でノウハウを身につけた訪問診療をさらに究めることもその一つ。また、歯科衛生士の育成に関わることで言えば、今ちょうど海外研修の企画プロデュースにも携わっており、もうすぐ第1回目が開催されます。今まで私が歯科衛生士として経験してきたことを、前例にとらわれずにさまざまな領域で活かしていけたらと考えています。歯科衛生士という仕事には、たくさんの可能性が眠っている。これからキャリアをスタートさせる方々にも、そう伝えていきたいです。

Cross Talk
クロストーク

歯科衛生士
先輩 松田
歯科衛生士
後輩 佐久間

クロストーク